
駐車場前に、デパ−トのような3階建てのモダンなビルが見えている。聖ステ−ブンズ・グリ−ン・ショッピングセンタ−と書かれている。大きなもので、キング通りの西から東の端まで続いている。東に聖ステ−ブンズ・グリ−ン公園の入り口がある。ここ西側はデパートの「裏口」で東側が正門の様だ。日曜日のせいなのかラフな姿の大人が多い。小さい手動の扉を押し中に入った。巨大なビルなのに、明るい自然の光が1階の中央部広場まで降り注いでいる。驚いた事に、遥か上部の天井に白い雲と青空が広がっている。巨大なビルの天井が「総ガラス張り」になっている。西側のビルは1階が食料品売り場で肉や野菜がある。お「惣菜」も売っていて値段も大阪と変わらない。ここでも日本製品は見あたらない。違いといえば日本のようにハムやソ−セ−ジの試食はない。3台のレジが稼動している。どの列も混雑していない。2階3階は、服、靴、工芸品、家具店など専門店で、バンドや靴などの皮製品が多く値段は安い。ウィンドブレイカー売っているが皮ジャンは見あたらない。客は多いが混雑はなくゆったりしたものだ。
スーパーの1階から東側のビルに入った。案内所兼LOTTO売り場がある、ファンが結構多いようで販売所が至る所にある。1階から3階までビル全体の中央部が中空になっている。楕円形のド−ナツを三層に積み重ねたようだ。各階が回廊になっていて専門店が並んでいる。ウィンドーショッピングをしながら3階まで上った。総ガラス張りの天井から、太陽の光が広い空間を通り1階の広場を照らしている。1階の広場は、ビ−チパラソルの立った小さな出店があり白い円形のテ−ブルと椅子が置かれている。ジュースやコーヒが売られている。若い女の子が二人、アイスクリームを食べながら喋っている。1階と2階のアクセサリー、バッグの専門店は客が多い。各階の回廊の通路外側には、高さ1.5mほどの白い手すり(転落防止)設置されている。専門店は服、カバン、靴、工芸品、化粧品と、あらゆる品物が揃っている。2階の東端に大きな大衆レストランがある。3階には展示即売の画廊もある。レストランはセルフサ−ビス。メニュ−は朝食はソ−セジ、卵、ト−スト、コ−ヒ−などのセットで約800円、昼食も約800円でセットが食べれる。量、質を総合すると日本より安いと思う。コ−ヒ−(紅茶)を楽しんでいる若いカップルが多い。
1階に皮ジャンパ−を売っている「メンズショプ」があった。2〜3人の若い男の店員がいる。1万4千円の値札が付いたインド製である。「本物」の軽い皮ジャンで艶も良い。サイズを見ていると店員が近ずいてきた。Mサイズを着てみると大きい。日本では、Lサイズのジャンパ−を買うんだがここではMでも大きい。特に手の丈が長い。Sを着てみたらピッタリだ。店員に「明日もう一度来る」と言うと彼は明る「サンキュ−」と言った。正面玄関はクラフトン通りで北に向かうとトリニテ−カレッジに出る。更に北に向かうとレフィー川と出会うはずだ。帰りはバスに乗りダブリン空港で途中下車し、3階のレストランで夕食と決めた。9時過ぎにはアンナのB&Bに帰れるだろう。5時過ぎ9月末のダブリンはまだ明るい。クラフトン通りは広く両側に石畳の歩道が広くゆったりとある。薄赤いレンガ色がとても明るい。新しい4〜5階建ての石のビルが仲良く肩を並べている。歩道には20m程の間隔で、高さ5mぐらいの「ガス灯」が建っている。それら上に鉢が吊り下げられていて、中に花が飾られている。今日は日曜日で「歩行者天国」で人通りが多い。
前方に人だかりが見えている。スト−リ−ト芸人がいて、反対側の歩道まで観客であふれている。彼らを二重、三重に取り囲んで見物している。ここからは何を演じているのか見えない。通りに花売のおばさんがいて、蘭や「水仙」などを束で売っている。お客は中年過ぎの女性が多く、「世間話」をしながら買っている。日暮と共に肌寒くなり始めセ−タ−やカ−デガンを着ている人が多くなった。ポロシャツをT−シャツの上に着て、ウィンドショッピングをしながら北に歩いた。右手にトリニティ−、左手にアイルランド銀行、前方にレフィ−川が見えてきた。オコンネルさんが僕を見ている。「予定のコ−ス」を一巡りしたことになる。川を渡りエデン・クエイ通りに出た。各方面へのバスターミナルがある。北側にスウォ−ド行きバス31番の乗り場がある。広い幹線道路なのに車は少ない。スウォ−ド行きバスは、空港を通るので特に乗客が多い。既に緑色のダブルデッカ−が待機している、
バスの番号が33Cとなっている、「C」がついているので少し気になった。前にいた30歳位の男性に尋ねてみた。ガッチリした男で、「空港からスウォ−ドに行きますか」と尋ねた。男は、「行くよ、大丈夫だ乗りな」と大声が返って来た、トラックの「運ちゃん」のような男だ。元気で陽気だと思ったらかなり酒が入っている。日曜日で、彼女と街に遊びに来た様だ。なかなか高級な若者向きセ−タ−を着ている。女性の方は小太りで綺麗なワンピ−スを着ている。バスは夕暮れの街を北のスウォ−ドに向かった。長い3人掛け椅子を除いて満席であった。その席に僕等3人が並んで座った。彼は暫くの間、彼女と機嫌良く話していたが話題が切れたようだ。「スウォ−ドのどこに行くのだ」と、話しかけてきた。「古城跡のある三叉路から北のB&Bに泊まってます」と言うと、彼は「俺の家から近い、わからないなら俺が送ったる」と親切に言ってくれた。彼の腕まくりをした左手首に、入れ墨が見えている。昼食の時に見た入れ墨と似ている。話しているうちに空港に着いた。彼に丁重に礼を言って、4〜5人の乗客と供にバスを降りた。6時半を過ぎ少し暗くなり始めていた。正面入り口からビルに入った。
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